『伊勢参宮宮川渡しの図』歌川広重
神宮徴古館農業館所蔵
神宮徴古館農業館所蔵
新生・おかげまいり
先人御祖の方々が守り継いできてくれた
日本の郷(さと)を次の世代へ繋いでいくプロジェクト
生まれ育ち、住み慣れた故郷を離れ、参宮の旅に出た若者たちは何を観たのだろうか
〜おかげまいり〜 それは、観光の語源である「聖地の光を観る」だけでなく
参宮の旅路で受ける施行(せぎょう)に支えられながら
見たこと、聞いたこと、触れたことのない、新しい世界をそれぞれが体験し
その経験を送り出してくれた故郷へ持ち帰り分かち合う旅でもあっ た
生まれ育ち、住み慣れた故郷を離れ、参宮の旅に出た若者たちは何を観たのだろうか
〜おかげまいり〜 それは、観光の語源である「聖地の光を観る」だけでなく
参宮の旅路で受ける施行(せぎょう)に支えられながら
見たこと、聞いたこと、触れたことのない、新しい世界をそれぞれが体験し
その経験を送り出してくれた故郷へ持ち帰り分かち合う旅でもあっ た
三つのハシラと七つのコト
故郷に
〜 ふれる 〜
あたらしい世界へ
〜 おもむく 〜
その体験を
〜 わかちあう 〜
〜 ふれる 〜
先人の方々が築いてきたもの
・故郷や暮らしている地域のお祭りや伝統行事などの「地域文化」
・茶道、華道、武道、神道、仏道などの「道」
・麹を使った発酵技術を扱う「蔵」、伝統工芸、建築などの「手仕事」
最先端
・生成AI、VR、AIロボット技術など、最先端のテクノロジーを扱う専門家や企業の訪問
・スマートアグリや自然農法をはじめとした様々な農業
〜 おもむく 〜
日常の向こう
・日本の自然遺産、社寺仏閣などの聖地訪問
海の向こう
・ホームステイや現地の方々との文化交流を含む、1~2週間の短期留学体験
空の向こう
・熱圏内での無重力体験など、これから始まる宇宙時代に焦点を当てた新しい形の旅行体験
〜 わかちあう 〜
創る
・「〜ふれる〜」、「〜おもむく〜」で体験した事、故郷を離れ改めてみえてきた故郷の印象などの作文や作品制作
伝えつなぐ
・体験した事をまとめた報告会の開催、参加者同士での意見交換、次のおかげまいり参加者への経験者としてアドバイスやサポート
HISTORY
お蔭参りとは、太平の世であった江戸時代に流行していた民衆による伊勢への参宮を指す言葉で、〜お蔭〜は、現代の私たちも「最近どう?」「お陰さまで元気です」など、日常のやり取りで使っている馴染み深い言葉です。 60年周期で起こったという言われる群参は、年間で約60万もの人々が伊勢に押し寄せたと言われ「お蔭参り」という言葉が広く定着しました。 諸国への移動が厳しく制限されていた時代に故郷を離れ、新しい世界を垣間見、諸国の人々との交流や見聞を広めることも出来たお蔭参りは、一生に一度はお伊勢さんと言われる程、当時の人々の強い関心を集めていました。 洛北静原におけるお蔭参りは、地域に残る中世の成人儀礼である烏帽子儀を終えた若者が、その翌年に隣近所や親戚よりお金を借りて、宮座中老頭に連れられて参宮していました。 七日旅と呼ばれ、井上頼寿著「京都古習志」によると、静原からの参宮の順路は、大原、仰木、堅田から船に乗り、杉の濱、石部泊(八幡屋)。大野で晝食、關泊(玉屋)。椋本で晝食、津泊(鍋屋)。神都長濱泊(両口屋)参宮をなし二見泊(朝日館)であった。 道中では「施行(せぎょう)」と呼ばれる施しに支えられ、多くの参拝者が、参宮のシンボルとなっていた柄杓を持って旅に出た。西村昭次著「静原少史」によると、静原一行が伊勢(長濱両口屋もしくは二見ヶ浦朝日館)に着くと、「山城の兄(あにい)が来た」といって一等座敷に案内され丁重にもてなされたという。 郷の人々は、帰郷する若者らを村の入り口まで出迎えにいき、帰ってくると無事を喜びあった。お土産には下記の写真にある壺屋の桐油紙製の煙草入れが珍重されたそうで、皆、お土産話と共に愉しみにしていた。 参宮の風習は明治頃までは続いており、それ以降は途絶えた。神宮には江戸中期の最盛期には、総勢八百人(内宮200人 外宮600人)の御師(おんし)と呼ばれる布教師がおり、伊勢神道と共に全国の伊勢講を組織していた。静原もその繋がりから参宮していた。 |
写真:おかげ座 歴史館、おかげ横丁壺屋
okage-mairi 2024
新生・おかげまいりプロジェクトの初年度となる2024年は、
京都市静原のみなさんとGSS東京メンバーを中心にモニター実施いたします。
<おもな活動予定>
・「道」本物の日本文化に触れる京都研修(3月)
・「海の向こう」伝統的な村の子どもたちと交流するフィジー研修(7月)
・「伝え繋ぐ」フィジーで体験してきたことを共有する報告会(9月)
「GSSキッズプロジェクト」は「新生・おかげまいりプロジェクト」として活動継承していくことになりました。先人たちが遥か昔に地域で取り組まれていた「おかげまいり」と、平和な世界に貢献する人材育成を目指して2009年より継続してきたGSSキッズプロジェクト。この2つの活動コンセプトの偶然の重なりは、感動的で奇跡的な出会いでありました。GSSのこれまでの経験とネットワークを活かし「新生・おかげまいりプロジェクト」を先人たちへの敬意をもって推進してまいります。
※ GSS は一般社団法人Global Study Support(非営利型)の設立手続き中です。(2023年12月現在) |
Educational Concept
CurricuLum
ひとつひとつの体験が次へつながるようなカリキュラムを開発しています。また長期的視野に立ち、日常生活の負担にならないようなペースでの活動ながらも、子どもたちが新しい発見や経験が楽しめるような運営を心がけています。 |
Basic Schedule
1年間の活動の中で、海外研修へ向け、さまざまなワークショップやイベントを企画しています。詳細はお気軽にお問い合わせください! |
*ポジティブ・アイデンティティー論 (POSID)とは、多様な価値観の中で自分をより理解し、自己も他も受け入れ、アイデンティティー(自己形成)と積極的に向き合うプロセス論です。Positive Identity Development based on Culturally Responsive Pedagogy (Kawai, 2019)の研究論文をもとにしています。
*ポジティブ・アイデンティティー論 (POSID)とは、多様な価値観の中で自分をより理解し、自己も他も受け入れ、アイデンティティー(自己形成)と積極的に向き合うプロセス論です。Positive Identity Development based on Culturally Responsive Pedagogy (Kawai, 2019)の研究論文をもとにしています。
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