留学は協調性と冒険心今回の登壇者は、中学校から海外のボーディングスクールへの進学を決断したHくんと、そのお父様です。小学5年生の時に出会ったカナダのサマープログラムをきっかけに、自ら留学を志した背景や、送り出す保護者の葛藤などについてたっぷりお話を伺いました。 (Edu-Talkは一昨年よりGSSが始めたプロジェクトです。2025年からは事前に登録いただいたメンバー限定で開催しています) きっかけはサマープログラムHくんはまず、日本で小学校受験をし、大学まで続く私立の一貫校に進学しました。受験に振り回される学生生活に疑問を感じていたというご両親は「小学校だけで受験は終わらせ、あとはのびのびと子どものやりたいことをやらせてあげたい」という思いから、その学校を選んだそうです。 転機となったのはHくんが小学5年生の夏。ボーディングスクール主催の1ヶ月のサマープログラムに参加したことでした。当時の英語力は「ABCが全て言えるかどうか」というレベル。それでもカナダやアメリカ、世界中から集まった同世代の仲間と、ボディランゲージを駆使しながら交流した経験が「めちゃくちゃ楽しかった」のだそうです。その体験が、彼の人生を大きく変えるきっかけとなりました。 帰国後、Hくんは「海外で学びたい!」と強く思い、英語の猛勉強を始めました。小学校6年生で英検2級を取得しました。 そして、ボストン郊外の男子校The Fessenden Schoolに出願。英語力はまだもうちょっと、という点数でしたが、半年で大きく成績を伸ばした努力が評価され、合格に至りました。半年での変化率をしっかり評価し、頑張れる子だとみてくれる、そういうのがアメリカの良いところですね。 お父様の話では「学校探しをした時間、一緒に学校見学に行った経験が大切な家族の時間だった。それを持てたのが素晴らしい財産になった」とのこと。中学生でお子さんを海外に送り出すことには不安もあったようですが、本人の強い希望だったので、支援したと話してくれました。 ボーディングスクールでの生活中学校のボーディングスクールではイベントが盛りだくさんです。ただ、その一方でさまざまに管理されると言います。特にスマホの使用時間は厳しく制限されます。就寝時間も決まっており、就寝前はスマホを預け、ロックされることも。しかし、それがかえって、勉学に集中できる環境だったとHくんは振り返ります。 高校はニュージャージー州の「Blair Academy」へ。ここでも成績優秀でしたが、とにかく勉強したようです。「試験前はゾンビみたいになっていたので心配だった」とお父様は笑います。ただ。高校になると行動は一気に自己責任制へ。就寝時間も自由。寝不足になればそれも自己責任。勉強をサボればそのまま成績に跳ね返る。そんな環境の中で自立性が強く育っていったようです。 留学、学校選びのポイントや留学に向く人とは実際に海外で学んだからこそ見えてきた視点をHくん自身がまとめてくれました。これは留学に限らず、進学やキャリア選択にも通じる考え方ですね。 ・学校選びのポイント 1) まず理想像を描く 2) 日本では学べないユニークなクラスが海外にはある 3) 大学選びでは自分の専攻を全米ランキングなどでレベルの確認する ・留学に向く人の要素 協調生:人に合わせる力ではなく、他人の中で自分の力を出せる力 冒険心:色々なオプションを楽しむ ひとり時間:これはほぼ無いと思った方がいいので、気にしない人 基礎学力として大切な日本の教育人間の思考力、基礎学力には母国語が必要だとHくんは語ってくれました。英語を早い段階から学べば良い、ということでもないのですね。日本での小学校での学びがあったからこそ、基礎学力も身につき、日本語での論理的思考も得られたとのことです。これはこれまでのEdu-Talkのゲストの方々、皆さんがおっしゃる共通ポイントですね。
現在、アメリカの大学に生物学専攻として籍を置いていますが、ギャップイヤーを利用して日本の大学で学んでいます。日米両方で学び、その違いについても語ってくれました。 「日本はとにかくアウトプットが少ない。先生の一方的な授業が多く、生徒はほとんど質問することなく黙々とホワイトボードの文字を書き写す。そしてその内容が試験に出る。一方、アメリカはプレゼンや発表が多く、その準備も大変」と述べつつ、日本の大学は授業以外の時間が取れ、アルバイトやサークル活動ができる点が魅力だと言います。 今後は日本での就職活動も経験してみたいと語るHくん。生物学だけでなく経済学にも興味を持ち始め、ダブルメジャーにしようかな、そんな思いも実現できるのがアメリカの大学の良さでもあります。将来の選択肢がたくさんあり、これからがとても楽しみです。 執筆:足立真理
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2025年9月13日土曜日、「国内インターナショナルスクールでの体験について」と題して、「Edu-Talk」を開催しました。(Edu-Talkは一昨年よりスタートしているプロジェクトですが、今年からは事前に登録いただいたメンバー限定で行っております) 軽井沢にあるインターナショナルスクールで高校3年間を体験したMさんがゲストスピーカーとして今回は参加。日本の高校とは全く違うカリキュラムを多種多様な生徒たちに揉まれながら日々を過ごしたことを語ってくれました。 学校は世界の縮図 この学校では80カ国から生徒が集まり、そこは小さな世界、つまり世界の縮図だったとMさんは語ってくれました。学生の多くは奨学金を給付され入学。アフリカの貧しい国の子もいる、パレスチナの子もいる。その横にはイスラエルの子もいれば、ウクライナの子もいる。宗教も主義主張も違う学生が集まると、当然、さまざまな軋轢も生まれたようです。それでも共に学べる幸せを感じ、切磋琢磨したと言います。 そんな中にあって、Mさんは自分が本当に恵まれた、幸せな環境にいたことに気づかされたようです。その立場から自分に何ができるのか、世界で困っている人にどう接していけばよいのか、多くを学んだとのこと。日本にいながら毎日世界を感じる環境だったのですね。 どのような準備が必要なのか 人気のこのインターナショナルスクールに入学するにはどうしたら良いのか。まずはそこに注目が集まりました。日本の一般的な高校入試とは違い、基本は中学校の成績表とエッセイ。そして保護者と一緒の面談があったようです。最近ではグループワークなども導入されているかもしれません。 比較的英語を小さい時から勉強し、得意だったMさん。入学してみたら、相当苦労したことを明かしてくれました。他にも日本人生徒はいたのですが、多くが帰国子女でした。授業を無理なくこなせるようになったのは2年時からだったようです。 注目のIBシステム 参加した方からの質問が多かったのは国際バカロレア(IB)についてでした。最近、日本でも導入する学校が増えています。IBのプログラムは国際バカロレア機構が提供する国際的な教育システムであり、世界中の大学で通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を得られることを目的としています。 IBの特徴は単なる知識の詰め込みではなく、探究型の学習や批判的思考を促し、異文化理解や国際的な視野で行動できる人材の育成を目指しているということで、決して簡単なものでありません。 どんな科目があり、どんな試験でどれくらいの点数が必要なのか。細かくMさんは語ってくれました。哲学やエッセイ、プレゼンの科目もありました。結局日々の勉強、そして自分で探究心を持って学ぶことが大切なようです。 インターナショナルだからこそ大切なこと Mさんは国際的に活躍する如何に関わらず、大切なことは自分でしっかりと考える力を持つことだと言います。特にそれは「母国語」を持つことの大切さだと訴えました。英語でも日本語でも母国語がしっかりできないと、これからの社会では太刀打ちできないというものです。 Mさんの場合は日本語をしっかり勉強しておいてよかったと語ってくれました。日本人的思考が自身の根底にあることで、今も社会人として自信を持って舞台に立てていると感じているようです。「どうしても最近は何でも英語が先、と思ってしまう方が多いですが、結局、語学はツールでしかなく、本物の思考力は母国語であってこそだと思う」とMさんは考えています。 実は私(足立)もそれはとても強く感じます。英語がどんなに達者でも、母国語を中心とした考える力がない限り、外国語も薄いものになってしまう。しっかりとした思考力があれば、仮に多少下手な英語でもその思いや、考えは必ず伝わると思います。 午後1時スタートで、3時ごろには終了と考えていた今回のEdu-Talk。結局会場を借りている午後4時ギリギリまでみなさんの質問、議論は尽きず・・・。とても学びが多く、有意義な時間となりました。ゲストスピーカーのMさん、そしてお集まりいただいた皆様、本当にありがとうございました。 次回は海外のボーディングスクールを体験した方、そしてその保護者の方がゲストスピーカーです。11月8日土曜日に開催予定です。どうぞお楽しみに! (担当:足立) 2025年7月12日土曜日、「多様化する教育と選択肢」と題して最近の教育トレンドや様々な体験談が聞ける「Edu-Talk」を東京・品川にて開催しました。Edu-Talkは一昨年よりスタートしているプロジェクトですが、今年からは事前に登録いただいたメンバー限定で行っております。 前半は弊団体理事の足立真理がお話しさせていただきました。大学でも教壇に立ち、教育ジャーナリストとしても国内外の教育現場を取材しているため、大きな枠の中で日本の教育をとらえた話となりました。 <主な内容> ・世界の教育の流れ ・レジリエンスを身につけることの重要性 ・「能力の島」を見つける ・日本の大学受験のトレンド 後半はアメリカでの教育経験もある河合聡子が、国や時代に関係なく大事にしたいことをいくつかピックアップしてお話しさせていただきました。子ども自身はもちろん、家族の文化アイデンティティも理解しながら、柔軟に子どもたちをサポートできる環境づくりということに焦点を当ててお話ししました。 <主な内容> ・教育の選択肢 ・普遍的な教育的価値観 ・普遍的な教育の必須スキル ・国内/海外ベースでの進路マップ その後、さまざまな教育バックグランドを持つGSS一期生たちを中心に体験談を共有してもらいました。海外育ちで日本で就職している人、海外で学び海外で就職している人、どちらの立場でも自分の価値観に合ったコミュニティーを見つけれたことが大きいと話していました。 今回はメンバー同士の交流も兼ね、オフサイト限定の会とさせていただきました。子育てでお忙しい中参加くださった皆様、会場準備に協力くださったAさん、本当にありがとうございました!
次回は国内のインターナショナルスクールと海外の大学を卒業された方をお迎えし、9月13日土曜日に開催いたします。お楽しみに! 先月8日、「下鴨神社杯 たんぼラグビー 」が京都洛北の静原にて開催され、昨年フィジーへ訪問した静原の子どもたちとフィジー留学生たちが交流しました。 筑紫台高校ラグビー部(福岡)に所属し活躍しているフィジー留学生の二人は、今回主催団体や地域などからの招待を受けて参加。子どもたちとラグビーに参戦したり、ホームステイや流しそうめんなどを楽しんだそうです。(京都新聞・掲載記事:https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1508746) GSSは静原地区で取り組まれている次世代育成事業「新生・おかげまいりプロジェクト」を支援しています。このプロジェクトでは、日本の地域文化を継承する子どもたちが広い視野を持って自分の力を発揮できる体験をと、日本文化体験プログラムやフィジー研修などを実施しました。 また今回招待いただいた留学生が在籍する高校をフィジーにお繋ぎしたご縁もあって、思いがけずこのような交流が実現しました。今後もこのような活動の輪が広がり、多くの子どもたちが楽しい体験を重ねてくれたらと願うばかりです。 最後になりましたが、たんぼラグビー主催団体をはじめ京都の皆様、福岡の高校関係者の皆様、ありがとうございました。またいつも活動を支援くださっている多くの皆様のおかげで、交流活動が継続しています。心より感謝申し上げます。 (担当:河合) GSSでは現在、米国オレゴン州ポートランド市での中高生向けサマープログラムをご案内しています。 35年以上の実績あるPortland English Language Academyの主催で、下記の内容が含まれています。 ・英語レッスン 週12時間 ・会話グループ 週10時間 ・校外アクティビティー 週8時間 ・ホームステイ 英語のブラッシュアップができ、楽しい夏休みを爽やかな気候のポートランドで過ごせるのも魅力の一つですが、このプログラムが特におすすめなのは ・世界中の国から10代の参加者が集まり、共に学び過ごせること ・現地アメリカ人ファミリーや同世代のお友達と交流できること 手続き等の出発までの国内サポートはGSSがお手伝いします。また現地の語学学校には経験豊かな日本人スタッフもサポートしているので、安心して参加できます。まずはオンライン説明会にお気軽にご参加ください!みなさんの参加をお待ちしています。 【オンライン説明会】 日時:6月15日日曜日 19:30- 20:30 お申し込みはこちら |
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